【レビュー】1秒の狂いが、死へのカウントダウン。ドラマ『時計館の殺人』が描き出す、時間という名の残酷な迷宮

ミステリー×ドラマ

「この館では、時間が止まっているのではない。……歪んでいるのだ。」

本格ミステリーの金字塔「館シリーズ」でもある『時計館の殺人』。 鎌倉の森の奥深くに建つ、大小108個の時計が埋め込まれた異形の館。そこで行われる降霊会と、次々と命を落としていく訪問者たち。 これまでの『十角館』の衝撃をさらに上回る、物理的・心理的トリック。そして、館の仕掛けが明かにされるとき、という名の凶器が迫ってきます。


あらすじ:108個の時計が刻む、断絶された72時間

亡き愛娘の霊を呼び戻すため、館の主・古峨倫典が建てた「時計館」。そこへ、超常現象の調査に訪れたW大ミステリ研のメンバーたちと、霊能者。 彼らに課せられたのは、旧館に閉じ込められたまま過ごす3日間。しかし、外の世界と連絡が絶たれた閉鎖空間で、一人、また一人と無残な姿で発見されます。

一方、館の秘密を追う島田潔は、外部からこの異様な建築物の謎に迫ります。旧館の中と外で行われる推理と謎が1つになった時、真実が現れます。

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ここが凄い!:時間を操る3つの「戦慄」

① ミステリー史上類を見ない「時間のトリック」

本作の核となるのは、タイトル通り「時計」です。時計の中に隠された秘密と緻密に組まれたロジックは、綾辻ミステリーの真骨頂であり、視聴者の脳を激しく揺さぶります。

② 狂気と哀愁が同居する「時計館」のビジュアル

館の中に足を踏み入れた瞬間に感じる、圧倒的な閉塞感。壁一面を埋め尽くす振り子時計の音、窓のない部屋。その幻想的で不気味な美術設定が、サスペンスとしての緊張感を極限まで高めています。特に、真夜中に一斉に鳴り出す時計のチャイムは、死を告げる鐘の音のように響き渡ります。

③ 過去の亡霊に囚われた「家族」の悲劇

なぜこれほどの巨大な装置が必要だったのか。その裏には、隠された家族の秘密と秘められた思いが歪が狂気となり、歪んだ結末を迎えます。その動機の切なさが、真相解明後の余韻をより重くしています。


著者の正直な感想(レビュー)

王道であり本格なミステリーというのが正直な感想でした。

『十角館』では「誰が犯人か」という衝撃だったのに対し、この『時計館』は「この世界そのものがどうなっているのか」という、足元から崩れるような衝撃を与えてくれます。 鑑賞中、登場人物たちと共に、館の中に流れる歪んだ時間に飲み込まれていくでしょう。時計の針が進むたびに、死が近づいてくる。その物理的なカウントダウンの恐怖。

そして、島田潔が解き明かす「時計館」の真実。 パズルのピースが最後の一枚まで完璧にハマった瞬間、まるでカウントダウンを示す時計の針が0時を告げるているように感じました。

「時間は平等に流れる」という理を崩したとき、その大きな代償が押し寄せる、そんな作品になっています。

唯一欠点を上げるなら画面が暗くて少しわかりづらい場面もあったというのが個人としてはあります。明るいと演出的にっていうのもあるので難しいのもあるのでしょうが(笑)

本格王道ミステリー!こてこてのミステリーになっていますのでぜひ見てみてください!


まとめ:こんな人におススメ!

  • 『十角館の殺人』の衝撃をもう一度、さらに大きなスケールで味わいたい人
  • ロジックと幻想が完璧に融合した「本格ミステリー」の頂点を見たい人
  • 「時間」という概念が狂わされる、唯一無二の鑑賞体験をしたい人
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