「降り積もれ孤独な死よ」公式より引用
邸宅とミステリー。王道の組み合わせですが、隠された秘密やそれぞれの過去、多岐にわたる背景が物語に深みを与えています。
そして、過去からつながる悲しい物語は終わりを見せたと思いきやまた事件がおき事件は終わっていなかったことを告げます。そして、辛い過去の事件を乗り越え受け入れていく主人公の葛藤の物語にもなっています。
葛藤は主人公だけでなくほとんどの登場人物が抱えているこのドラマ。冒頭からショッキングな映像から始まることもあり、何か暗闇に引き込まれるような印象を受けました。
ただ、登場人物の生活背景上一般的な考え方から逸脱した考え方は切なさもありながら意外性とユーモアも生み出していおり、楽しむことができる作品になっています。
あらすじ
灰川邸の地下室から13人の白骨死体が発見された。白骨死体は全て子どものものとみられた。そして、その部屋の壁には特徴的な六角形のマークが描かれていた。
行方がわからない灰川邸の主、灰川十三の行方を追うと同時に子どもの身元を探る刑事、冴木仁。そんな中、蓮水花音という少女が警察署に現れる。彼女は灰川十三と血のつながりはないものの、「父」と呼ぶ。
そして、花音から灰川邸にはかつて19人の子どもが灰川十三とともに家族のように暮らしていたという事実を告げられる。白骨死体となったのはそのうちの13人の子どもの可能性が高いと捜査は進展するも最も疑いが高い灰川十三は犯人ではないと花音は訴える。
そして、時がたち事件は解決し、過去のものとなった現在。記者の森澄子が冴木のもとへやってくる。彼はすでに刑事ではなくなっていた。そんな彼に彼女は告げる「本当にあの事件はもう終わったんですか?」と。
「降り積もれ孤独な死よ」公式のあらすじより一部引用
登場人物
冴木仁(成田凌)
主人公。灰川邸事件時は刑事。事件後、ある理由で刑事を辞職する。灰川邸事件で大きな傷を負うことになる。刑事を辞職し生活していたところに解決したはずの灰川邸事件のことで記者の森澄子が訪ねてくる。そして、まだすべてが終わっていなかったこの事件に関わっていくこととなる。
蓮水花音(吉川愛)
灰川邸事件と深く関わりを持つ女性。灰川十三の娘を名乗る。そして、父は犯人出ないと告げる。冴木とともに事件の真相を探る。人との距離感がどことなくつかめない。何か秘密を秘めている様子。
灰川十三(小日向文世)
灰川邸の主であり灰川邸事件の犯人。謎の多い人物。顔の左半分に痣がある。何かしらの理由で家にいられない子供を子供として邸宅に住まわせていた。
瀧本蒼佑(萩原利久)
冴木の腹違いの弟。幼少期に冴木とは別に暮らすこととなる。灰川邸事件の生き残り。幼少期のトラウマである衝動が抑えられないことに苦悩を持つ。
五味明日香(黒木メイサ)
冴木の先輩である刑事。組織からはみ出して行動する冴木に手を焼くも理解してくれる。優秀な刑事。
鈴木潤(佐藤大樹)
冴木の後輩。真面目で実直かつ明るいがその調子が場を乱すことも。
森燈子(山下美月)
灰川邸事件について冴木を訪ねてきた記者。
〇灰川邸の子供(生き残った子供たち)
・沖島マヤ(長女)
・蓮見花音(次女)
・東優磨(長男)
・神代健流(次男)
・川口悟(三男)
・瀧本蒼佑(四男)
感想(ちょっとネタバレ)
邸宅で血のつながらない子供を自分の子供として育てたが、その子供たちを殺害してしまうという衝撃的な事件。ざっくり事件をまとめた言い方にすると一種のサイコパス感のあるあらすじですがそんな浅い話ではなくトラウマとの葛藤、悲しみ、それを克服しようとするひたむきさなど多くの感情が入り乱れた深い話でした。
自分的にお気に入りの登場人物は主人公の弟でもある蒼佑くんなのですが彼も兄との確執や幼少期のトラウマ、それを克服しようとする努力に胸を撃たれました。そして、少しずつ兄との距離も子供の時のように戻っていくところもすごく感動的でした。
基本的に救われない場面も多々ある作品ではありましたが、全エピソード通して納得のいく素晴らしい作品だと自分は思います。まずタイトルを見たときになんじゃこれと興味本位で見始めたのがきっかけでしたが、見てよかったです(笑)
ちなみにですが最終話後の後日談もあるのでそれも見てみては?そちらは本編と変わってのほほんとしたエピソードになってます(笑)
それでは!
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