「最愛」公式より引用
愛によるドロドロな殺人復讐劇かと思いきや青春にも似た清々しさや親しい人を想う愛を感じる作品でした。予想がつきそうな展開と思いきや一遍!騙されてしまうこと間違いなしといった意外性のある作品でもありました。全てにおいて、いい意味で思ったものと違った良作でした。
冒頭の時点で血だらけの中、警察に連行されていく真田梨央。彼女がなぜこの姿になったを追っていくところから物語が始まっていくのですが、物語が進む中でその疑問は強くなっていくことになると思います。
それほど梨央を含めて、登場人物それぞれの個性が溢れており、他人には思えないような親近感を覚えます。役柄が社長だったり刑事だったり、本来接するような人たちではないのですがね(笑)
あと弟のために人生をかけて薬を作ろうとするまっすぐな夢。そんな一生懸命な彼女を応援したくなるような楽しさもありつつ、どうして冒頭のシーンに行き当たったのか?
気になった方は試しに見てみてください?多分みんなどこかしらでミスリードしていと思います。※自分が単純なだけの可能性はあります。
あらすじ
白山大学陸上部のエース、宮崎大輝は駅伝の地区大会選考で優勝を勝ち取る。彼を想い、応援に駆け付ける朝宮梨央。彼女は男子寮の寮夫、朝宮梨央の娘であり、弟の朝宮優と一緒に住んでいた。明るく前向きな彼女に大輝もひかれていた。
弟の優は事故で気持ちが高まるとその記憶がなくなってしまうという後遺症があった。梨央はそんな弟の病気を治す薬を開発するため研究者となるべく東京の大学受験を控えていた。
ある日、梨央たちが住む平和な白川郷の町で失踪事件が起こる。失踪者は見つかることなく、梨央も意味ありげな様子で大輝の想いを遠ざける。
そして、7年の年月が経ち、宮崎大輝は人の助けになりたいという思いから刑事となり警視庁捜査一課に所属していた。そんな中、世界を変える100人かえる30代にも選ばれ敏腕女社長が殺人の重要参考人となる。その重要参考人は音信不通となっていた朝宮梨央だった。
彼女は殺人に関与しているのか?そして、この殺人事件は過去の失踪事件と関わりがあるのか?
登場人物
・朝宮梨央→真田梨央(吉高由里子)
弟の病気の治療薬を作るため研究者を目指し東京の大学へ進学。進学前に失踪事件と父親の病死が重なり、東京で真田ホールディングスを経営する社長であり実母、真田梓のもとで過ごすこととなる。その際に名前も真田性となった。失踪事件に何かしら関わりがあるためか、両想いのはずの宮崎大輝を遠ざけ東京へと立つ。大学卒業後、真田ウェルネスの社長として新薬の作成を行っていたが、殺人事件の重要参考人となり、刑事となった宮崎に皮肉にも容疑者と刑事という立場で再会することなる。
・宮崎大輝(松下洸平)
警視庁捜査一課の刑事。学生時代は白山大学陸上部エース。梨央とは両想いであったが失踪事件の後より理由も伝えられず、距離を置かれてしまう。在学中に陸上部員の麻薬使用に気付けなかったことや、何かしら事件と関与していたであろう梨央のことなど、誰も助けられなかった後悔から人を守りたいと刑事になった。東京での殺人事件で梨央と再会することとなる。
・加瀬賢一郎(井浦新)
真田ウェルネスの法務部所属の弁護士。弁護士としての能力は非常に優秀であり、「真田グループの番犬」と比喩される。真田家との交流も多く、家族として扱われる。梨央に対し、献身的であり自分の身を挺して守ろうとする。
・朝宮優
姉の梨央と遊んでいる際に遊具から落ち頭部をぶつける。その後遺症として感情が高ぶると記憶が欠落する病気を患ってしまう。梨央とは異母兄弟。梨央の進言で東京へ上京するも15歳のある日忽然と姿を消してしまう。そして、失踪から月日がたち東京で起こった殺人事件とともに姿を現し始める。
・朝宮達雄(光石研)
梨央、優、政信の実父。白山大学陸上部の寮夫。失踪事件に関与している描写がある。梨央が東京の大学へ受験しに行くところを見送った後、寮内で病死する。
・真田梓(薬師丸ひろ子)
真田ホールディングスの社長。梨央と政信の実母であり達雄の元妻。
・真田正信(奥野瑛太)
梓と達雄の子供。梨央の兄にあたる。幼少期父を慕っていたが離婚後、母に引き取られ父と過ごしていた梨央に嫉妬心を持つ。上京しともに過ごすときには梨央をいびっていた。
・後藤信介(及川光博)
真田ウェルネスの専務。古参であり梓との信頼関係は強い。
・桑田仁美(佐久間由衣)
大輝とコンビを組み殺人事件の捜査に挑む女性刑事。あだ名は「桑子」。
・橘しおり(田中みな実)
フリーライター。真田ウェルネスのことを調べている。何かと梨央に対し思うところがある様子。
・渡辺昭(酒向芳)
東京で起きた殺人事件の被害者。白川郷では息子の康介が失踪している。このことが今回の事件と息子の事件を結び付け捜査されていくこととなる。
・渡辺康介(朝井大智)
大学院生。白川郷で失踪する。
感想(ちょっとネタバレ)
自分的感想としては「恋の行方」と「殺人事件の行方」がうまく混じりあうことでストーリーが濃厚となり、すごく楽しむことができた作品でした。記憶が飛ぶという弟の病気が軸に物語がどう動くのかハラハラしました。いい子なんです優くん。ゆえにって感じですね。
話の冒頭だけでは予想できるストーリーなのかなとみていましたがはずしてきますね。ミスリードの宝庫でした(笑)最初から最後まで騙され続けましたね。関係者ほぼ全員、怪しく見えてきます。そうくるかっ!といった具合に。
そして、あまり恋愛要素のある映画は観ることが少ないのですが、なんかよかったですね。お互い、年月が経ちいい大人なったにも関わらず当時のような初々しさ(笑)
それも、失踪事件以降微妙な距離になった二人が今度は殺人事件を通し再会。それも刑事と容疑者といった特殊な形。久々の再会ではお互い、他人行儀な様子からの一遍。ドキドキな感じになっていきます。
しかし、そんなドキドキを裏切るようなハラハラ感(主に優くん関連)、そしてちゃんとその中にしっかりとした本格的なサスペンス要素がバランスよく組み込まれています。
主に、「ドキドキする」・「ハラハラする」・「ホッとする」のループで展開されていきます(個人の感想です笑)。
最終回、多大な情報量をこの最後の1時間でどうさばくんだろうと思っていましたが綺麗にまとまっていました。しかも、まだ犯人がわからない状況。むしろ、誰が犯人なんや?と最後までたのしむことができました。
登場人物が基本いい人だらけなのでなんか犯人がわかっても救われない展開になりそうだなと思いましたがこれだけは当たりましたね。はずれてほしかったな(笑)
そして、大輝と梨央の恋の行方も決着がつきますのでぜひ見ていただけたらと思います。
それでは!
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